TYM344 - VR アイ (VR Ai) / Acrylic on Canvas / 72.7x90cm / 2016
VRヘッドセットを体験すると、「仮想空間なのにこんなにリアルですごい」ということよりも、何かが「ない」ということが強烈に意識されるなあと思います。例えば、においがない、とか、地面の感覚がない、とか。「ない」に気づく、私はVRについてはそういうところが気に入っています。
そう考えると、実はいまこの瞬間のこの現実における私たち一人ひとりも、何らかの「ない」があるのかもしれません。例えば、今日は風邪気味で鼻が詰まっていて食事の味があまり感じられない、とか、片目の乱視が悪化していて駅構内の掲示が見えない、とか。
何かが「ない」ことは、その時のその人のひとつの特徴です。
自分にもある「ない」を一つ二つと発見すればするほど、逆説的ですが、自分と他人とをより同じように考えることができるのかもしれません。
TYM344
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