2014年7月26日土曜日

ホーム・アンド・ドライ終了、ありがとうございました

新代田/下北沢 communeでの2人展「ホーム・アンド・ドライ」終了しました。
ご来場いただいた皆さまありがとうございました。
作品について色々と考えを語ってくれた方や、はるばる静岡から来てくれた方もおりまして、とても感謝です。あとcommuneはすごい居心地がよくて在廊が楽しい。料理おいしいからもっと食べましょうみなさん。




"ろ玉うど"  キャンバスにインク  2014


"総アイ全"  キャンバスにインク  2014


五差路くんとはまたいつか展示やりたいなと思います。
(あ!きっとKITAJIMA/KOHSUKEではまた一緒ですね)。

それではまた。

TYM344

2014年7月8日火曜日

誰かのトラック

ドリーム

○ ○ ○

 荷物の運搬のために中野駅北口のニッポンレンタカーでトラックを借りたのだが、思っていたより大型だった。こんなの運転できるのか。でも必要だし、しかたなく運転。誰か助手席にいれば安心なのだが今日は一人で運転するしかない。
 妙な小道に入ってしまい、まずいかも、と思いながらゆっくりと進んだ。向こうからきたおじさんが、ここから先はもう進めないから戻った方がいい、と言ってくれた。なんとか方向転換して別の道へ。すぐに国道へ出たので少し安心した。
 カーナビがない車だったので、地図を見るために道の端へいったん車を停めた。地図をくるくる回していると、すみません、と徒歩の青年が窓の近くから声をかけてきた。
「なんですか?」
私はドアを開ける。青年は少し困ったような笑ったような顔をしている。
「そのナンバー、うちの車なんです。僕もびっくりしたんですが。一応確認させてください」
「えっ」
私は確かにレンタカーで配車された車に乗っているのだが、その青年が言っていることがもし正しかったらどうしようと、混乱した。青年は自分が持っている鍵を使ってエンジンを回そうとした。
 そのとき、青い作業着を来たおじさん二人があらわれ、工具をつかって左右のミラーを外そうとした。まずい、これはグルだと思い、私は青年を振り払って、あわてて発車した。
 青年とおじさん二人は追ってくる様子はなかった。もちろん、車もないようだし、追おうにも追えないが。バックミラーの中で小さくなって行く青年の表情は、笑っているようにもみえた。
 私は夜の国道を走った。停車したいのだが、とりあえずしばらく走ろうと思った。

TYM344

2014年6月25日水曜日

出展情報:「ホーム・アンド・ドライ」7月11日(金)-13(日) commune

7/11(金)から13(日)の3日間、新代田のcommuneにて、2人展をやります。





新井五差路/TYM344

「ホーム・アンド・ドライ」


日程:2014年7月11日(金) - 13日(日)
   7/11 14:00-20:00
   7/12-13 11:00-19:00  

会場:commune(新代田, 東京)


www.ccommunee.com/


"あなたは、自分がいま暮らす街のことを、毎朝歩く路地の風景を、覚えていますか?


かつて、都市空間からユニークなオブジェを見出した赤瀬川原平や、権威的な制度としての都市から個人を解放するために漂流(デリーヴ)を繰り返したフランスのシチュオシアニストなど、現代的な都市空間に対するアプローチは様々な方法で行われてきました。

それらの試みは、見方を変えることで、都市の風景とわたしたちの関係性を変え得ることを示しています。

今回の展覧会では、「カタ/コンベ」メンバーである2人が、普段何気なく目にしている看板や道路、建物などのイメージを集めて、意味を漂白し作品に転用することで、ひとつひとつのイメージが本来持っている表情を発見していきます。

あたりまえの風景の中に、新しい楽しみが見つかりますように。"


-  -  -  -  -  -  -  -  -


今回一緒に展示をする新井五差路さんは、私が出入りしているシェアアトリエのメンバーでもあります。

いろいろな作品がありますが、最近は土地の所有に関する疑問・批判を作品化していたりして、その作品そのものも観ていて飽きない(フライヤー画像にある物体も五差路さんの作品で、土地をサンプリングして透明樹脂で固めているというものです)、おもしろい作家です。
私とは全くといっていいほど作風が違うのですが、実は非常に興味が近い部分が多々あり、今回のこの展示をするに至りました。
どのように興味が近いのか、またどのくらい作風が違うのか、今回の展示は両方わかると思います。
communeでの作品発表も初めてなのでとても楽しみです。
3日間と短い間ですが、よろしくお願いします。

TYM344

2014年6月24日火曜日

"KITAJIMA/KOHSUKE"#06

すっかり過ぎてしまったのですが、6月7日(土)-8日(日)にカタ/コンベにて定期展「"KITAJIMA/KOHSUKE"#06」がありました。
もはやTwitterだけでの告知、よくないですね。次回はちゃんと告知やります。



新作の悠は、いままで描いた絵の中で一番人物サイズが大きいです。
本当は大きい絵ばかり描きたい!のです。

サイトも少しだけ更新したのでご覧くださいませ。
www.tym344.com
何点か撮影できていない作品もあるので、「あれが無いな」という場合がありますが、またおいおい。

7月も展示があるので近日中に発表します。

TYM344

2014年6月1日日曜日

TAGBOAT ARTFES 2014終了、ありがとうございました


TAGBOAT ARTFES 2014 in 増上寺、無事終了しました。

ご来場いただいたみなさま、お話していただいた作家のみなさま、ありがとうございました。
TAGBOATのイベントははじめての参加だったんですが、他の作家さんともかなり話ができまして2日間楽しくすごしました。
2日間もあると合宿みたいですね。
なお、2日目は絵の隙間に(壁に直描きで)アイちゃん漫画が増えて行くという謎展開をしました。
新作の絵はまた撮影したらサイトに上げます。

そして今回私TYM344は審査員特別賞(新宿眼科画廊 田中ちえこ賞)をいただきました。
発表のときに名前呼ばれて、びっくり。あー緊張した。
田中さん、ありがとうございます。 ますますがんばります。展示します。

私は作品買うのが好きで、例によって今回も買いました。
今回は購入したのは葉栗里さんの「やま」と、鳴海テヨナさんの絵(作品名聞いていなかった)です。
絵画やドローイングではないものを買ったのは葉栗さんの作品が初めてです。
結構作品増えてきたのでいつかコレクション展やりたいなと考えています。

葉栗里さんのサイト
http://hagurisato.wix.com/hagurisato
葉栗さん、GEISAI#20で猪子寿之さんの賞を受賞されていた方でした。

鳴海テヨナさんのサイト
http://teyona.web.fc2.com/
いま見てたらテヨナさんのdiary超おもしろい、、、、

はい、それではまた。

TYM344

2014年5月18日日曜日

出展情報:「TAG BOAT ARTFES 2014」5月24日(土)-25日(日)大本山増上寺


展示のお知らせです。
次の週末にタグボート主催の展示に出ることなったんですが、場所が増上寺です。
寺です。

TAG BOAT ARTFES 2014
日程:2014年5月24日(土)11:00-19:00, 25日(日)11:00-18:00
会場:大本山増上寺 東京都港区芝公園4-7-35

よろしくお願いします。

TYM344

2014年5月16日金曜日

燃える!お兄さん男

ドリーム

○ ○ ○

 電車に乗っていた。窓の外は少し田舎の風景。山の間に住宅地がある。よく晴れている朝だった。車内は通勤や通学と思われる乗客である程度混んでいた。
 近くに立っていたサラリーマン風の男がちらちらとこちらを見てくる。30代半ばくらいで、少し太っていて、眼鏡をかけている。スーツだがネクタイはしていない。黒いカバンを肩にかけている。男は少し近寄ってきた。
「.....ですか?」
 とうとう男が話しかけてきた。私はイヤホンをしていたのでよく聞こえなかった。イヤホンを外して、なんですか、と聞いた。男はもう一度訪ねてきた。
「『燃える!お兄さん』好きですか?」
 驚いた。なぜわかったのか。電車に乗って音楽を聴きながらただ外を眺めているさして特徴のない乗客であったはずの私の、どこから、それを感じ取ったのか?
「はい、好きですよ。単行本はなかなか揃わなくて、たしか7冊くらいもってます。佐藤正ですよね」
 私がそう答えると、少し満足そうに男は頷いた。そして男は鞄から書類が挟まったクリアファイルを取り出した。なにかの説明資料のようだが、漫画も描いてある。資料を私に見せながら男は説明を始める。
「僕、こういう仕事してるんです。漫画を綺麗に印刷する仕事。こういう感じで、一般の業者よりも絵の線の感じとか、綺麗に出るんですよ。この漫画家さん知ってます?」
「うーん、ごめんなさい。初めて見ました」
「ちょっと頼みたいことがあるんですが、いまから時間いいですか?」
「いいですよ」
 明らかに怪しい人物だがなにか純粋な真剣さを感じ、悪人ではないと思えたので、ついて行くことにした。
 下車してついていった場所は、ビルの2階にある催事場のような場所だった。何か準備作業中のようで、物を運んでいる人や、長椅子を組み立てている人がいた。
「ここです」
 壁に近いある一画に来たところで男は説明を始める。
「明日から2日間、ここイベントがあって、僕らのサークルも参加するんですが、ちょっと人手が足りていなくて。よかったら手伝ってもらえませんか?」
「いいですよ。3日後に自分の展示があるので、最後の片付けは参加できませんが。展示までは時間ありますし、やります」
机にはソフビ人形がいくつか置かれていた。
「基本的にはブース番ですか?」
私が尋ねると、少し離れたところにいた別の男ー黒いジャケットを着た小柄の男が答えた。
「やり方は私が教えるから大丈夫」
ジャケット男は視線を遠くに向けたまま、肩越しに答えた。
「あ、よろしくお願いします」
いったいどんなサークルなのか、まだ知る由もなかった。

TYM344